王さんはメジャーで活躍できたのか
近年、多くの選手が海を渡ってメジャーリーグを目指すようになりました。野茂を筆頭に多くの投手が大成功してきましたが、野手で成功したのは、イチローと松井に限られると思います。
未だ、野手にとってメジャーリーグは大きな壁なのかもしれません。
一つ疑問なのは、王貞治はメジャーリーグで活躍できたのかという事です。様々資料から、その可能性を探っていきたいと思います。
■日米野球での成績
当時、シーズンオフには日米野球が行われていました。恐らくメジャーリーガーは観光気分で来日していたでしょうが、一つの参考になると思います。
王 109試合 336打数 86安打 25本塁打 61打点 81三振 88四死球 打率.256
打率の低さが目立ちますが他の数字はまずまずです。ちなみにイチローと松井のせいせきは
イチロー 11試合 37打数 16安打 0本塁打 8打点 6三振 5四死球 8盗塁 打率.432
松井秀 32試合 122打数 30安打 4本塁打 18点 23三振 18四死球 打率.246
松井は160試合換算するとホームランが20本程度になり、彼のメジャーでの平均数に近いイメージになります。
■飛距離の問題
松井との比較資料が有りましたので掲載します。
<王貞治(1959-1980年) 通算868本塁打>
99m以下 102本(11.8%)
100-109m 289本(33.3%)
110-119m 286本(32.9%)
120-129m 142本(16.4%)
130m以上 49本(5.6%)
<松井秀喜(1993-2002年) 通算332本塁打>
99m以下 4本(1.2%)
100-109m 27本(8.1%)
110-119m 72本(21.7%)
120-129m 110本(33.1%)
130m以上 119本(35.8%)
東京ドームは飛距離が出やすい事。昔のボールは飛ばなかった事を考慮して、強引ですが、2人の飛距離は互角と考えます。
■球場の狭さ
当時の後楽園球場は両翼90m以下です。よって上記の資料から102本は減少すると考えます。
■メジャーへの適応
ムービングファーストボールが全盛の今、松井の様な引っ張り専門のバッターは不利になる傾向があります。大谷がある程度成功できるのは、反対方向にホームランを打つ技術があるからだと、あるインタビューで松井が言っています。果たして、王さんも
有名なプルバッター。どこまで適応できるか不安です。
■メジャーへりーがーの見解
巨人で1980年の1年間だけ王さんと一緒にプレーした一流メジャーリーガーだったロイ・ホワイト氏が自著の本の中で「王は、メジャーでプレーしていたら500本程度のホームランを打っていた」と書いていました。
褒め言葉でしょうが、同時に868は打てないという事でもあります。
結果
上記の資料より松井のメジャー記録ににた物になると考えられます。
年平均 ホームラン25本 打率 280
というのが現実的だと思いますがいかがでしょうか。